2018/07/13
3月期決算企業の株主総会が一巡した。独立性の観点から社外取締役・監査役の選任で賛成比率の低下が目立った。株主提案に賛同する動きが広がり、業績の低迷する企業では経営トップの選任で賛成比率が低下した。政府が旗振り役となり始まった企業統治改革から5年。株主の監視の目は一段と厳しくなり、議案の賛否を通じて経営側に株主の意思を明確に表明するようになった。
企業が関東財務局に提出した「臨時報告書」をアイ・アールジャパンが集計したところ、2日時点で主要企業472社の6%で社外役員の選任議案への賛成比率が70%以下だった。昨年は賛成比率が70%以下だった企業は4%弱だった。
(日本経済新聞 7月4日)
上場企業とは対照的に、監視の目が光らないのが学校法人や社会福祉法人など公益法人の理事会である。制度としては理事会を監視する評議員会が設けられているが、理事が評議員を兼務しているというデタラメな人事も散見される。
社会福祉法人に対しては、2016年に改正された社会福祉法によって事業高30億円以上の法人に法定監査が義務づけられ、理事と評議員の兼務は是正される流れにある。学校法人では昨今話題の日本大学の理事会と評議員会が挙げられる。教職員組合の代表が記者会見で「理事長による権力の一元化」を指摘したが、日大では、評議員会と理事会は緊張関係にないのだろう。
こうした公益法人の人事を監視する役割を担っているのは所管官庁だ。しかし、所管官庁のスタンスは「事態を見守る」「自浄作用に期待したい」である。
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