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労基署、全民放キー局に行政指導=違法残業の是正勧告など

社員らに労使協定で定める上限を超える違法な時間外労働をさせたなどとして、三田労
働基準監督署(東京)が2013~17年、在京民放キー局4社に計5回の是正勧告をしていたことが2日、新たに分かった。
この期間中にテレビ朝日が3回、勧告を受けたことが既に明らかになっており、4社への勧告で判明したのは計8回になった。
4社のほかフジテレビジョンも、時期や内容は明らかにしていないが「行政からの指導はあった」としており、民放キー局全5社が是正勧告などの行政指導を受けていたことになる。
三田労基署の勧告は、テレビ朝日が4回、日本テレビ放送網が2回、TBSテレビ、テレビ東京が各1回で、指摘のほとんどは違法残業。テレビ朝日は既に明らかになっていた14~17年の3回のほか、14年1月にも派遣社員の長時間労働で勧告されていた。
(時事通信 7月2日)

長時間労働の代表格ともいえる医師には、医師法19条で「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と応召義務が課せられている。応召義務をめぐっては、医師が健康を害せば医療ミスにつながりやすいなどの理由で、見直し論も出はじめた。

同様に報道機関の社員にも、取材現場に向かう応召義務が課せられている。「事件や事故など重大な事案が発生した場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と。かりに重大事案発生時に、健康管理を理由に取材を拒否すれば、他社にニュースを持っていかれ、人事考課にも大きく響く。

だが、取材の範囲や精度は無限でも、健康は有限である。働き方改革を報道する側にも働き方改革が必要だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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