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みずほ取締役会議長・大田氏「社外取締役はCEOを解任の独立性を」

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みずほフィナンシャルグループ(FG)の取締役会議長に就任した大田弘子・元経済財政担当相は3日、産経新聞のインタビューに応じ、委員会設置会社に移行したみずほの新体制について「現場の声がしっかり経営中枢に上がる仕組みをつくる」と抱負を述べた。社外取締役の権限が増した取締役会が「いざとなればCEO(最高経営責任者)を解任できるだけの独立性を維持することが重要だ」とも指摘した。
大田氏は「まずは(取締役会を)きちっと機能させることが議長の役割だ」と強調。「取締役会が、執行ラインを監督しつつ、ともに成長の絵を描く形ができる」と期待感を示した。
暴力団関係者らへの融資問題では、情報が上層部に報告されながらも問題視されず、融資が放置された。
一連の経緯について大田氏は「就任前のことでコメントできない」と前置きしたうえで、「取締役会での議案の設定を工夫する」ことで、現場の問題意識をすくい上げる社内の情報共有が可能になるとした。情報を積極的に収集し、取締役会を支える取締役会室の陣容や機能が仮に不十分だと判明した場合は「拡充してもらう」と述べた。(産経新聞 7月4日)

社外取締役をなかば義務的に就任させられた企業のなかには、社外取締役の権限を骨抜きにしてしまうケースも十分に想像できる。収支判断の妥当性だけでなく「企業の論理」と「社会の論理」のかい離を解消するのが社外取締役の重要な任務だが、企業の論理に固執するのは、いわば経営陣の本能のようなものだ。

社会の論理を突きつけられると、これまでの足跡を否定されたかのような心境に陥り、(この業界の現場を知らない人に意見されても…)と、途端に抵抗勢力へのスイッチが入ってしまう。こと経営については、人並み以上の知識と見識を備えている上場企業の経営陣も、マインドのリセットは難儀なのだ。

社会の論理への切り替えは、理性では容易にできない。不祥事などで社会から袋叩きにされて初めて、事の重大さを自覚するのが通例である。

この課題への対処は、男性よりも女性のほうが適任だ。男性は損得を優先して経営を考えるが、女性は男性に比べて、どちらかといえば損得よりも善悪で価値判断を下す傾向があるからだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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