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パワハラ相談、過去最多=17年度7.2万件―厚労省

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厚生労働省は27日、2017年度の労働紛争に関する調査結果を発表した。
民事上の労働相談件数は前年度比1.0%減の25万3005件と減少したものの、パワハラ
など「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は1.6%増の7万2067件と、過去最多を更新した。
相談の内容別では、いじめ・嫌がらせが6年連続でトップ。「自己都合退職」「解雇」が続
いた。厚労省は「パワハラに対する社会的関心が高まる中で、労働者は事業主に対応を求め
ている」(労働紛争処理業務室)と話している。
また「雇い止め」も15.8%増の1万4442件と最多。有期契約労働者が無期契約に転換
できる制度に関し、18年度からの本格適用を前に、企業が事前に契約更新を打ち切る例が増えたことが影響したもようだ。
(時事通信 6月27日)

パワハラを指摘された上司は「指導が行き過ぎたかもしれない」「コミュニケーション不足だった」などを述べて、「パワハラの意図はなかった」と逃げを打つのが常套手段である。あらかじめ回答を用意していたかのように、そう弁明するものだ。
かりに「パワハラの意図があった」と白状すれば、意図の背景を解明され、心の闇にスポットを当てられてしまいかねない。そこまで追及されたら、多くは意気消沈するだろうが、人権問題を引き起こした本人の自己責任である。
パワハラ相談が増えているのは、人権意識が劣化しているからだ。教育やマニュアル整備には限界がある。パワハラに限らず、ハラスメントに厳格な罰則規定を設けて、経営幹部や有力社員にもお目こぼしをせずに処罰して、職場に緊張感をみなぎらせる以外にない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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