2018/06/18
人手不足を背景に活況な転職市場で、中高年層の存在感が高まっている。就職・転職サービス大手のリクルートキャリアによると、2017年度の50歳以上の転職決定数は09年度の1.8倍以上、16年度比でも2割超の大きな伸びだという。若手よりも人件費がかかる、新たな環境への適応性が心配など、長いキャリアが敬遠されたかつての状況は一変。年齢にとらわれずに能力を持った人材を積極的に獲得する企業が増え、転職の“年齢の壁”が崩れ始めた。
大手ゼネコンでビル建設の施工管理責任者をしていた55歳の男性。年齢的に現場を離れなければいけないが、定年まであと5年でさらに上のポストも望めないと悩んでいた。思い切って転職サービスに相談したところ、社員100人規模の地方建設会社に執行役員として迎えられた。年収は若干下がったものの希望通り現場で活躍できる仕事で、70歳までの雇用も約束してくれたという。
(SankeiBiz 6月8日)
これまで50歳を過ぎればビジネスマンとしては“上がり”だった。欲を捨て、自己実現や自己啓発などのビジネス命題から解放されて、定年まで無事に過ごすことが常道だった。
給与水準が高いのに、パフォーマンスが低下傾向に入ることから、お荷物扱いされる世代でもあった。
転職先も単純労働の職場が多く、ステップアップが目的の転職はほとんど考えられなかった。だが、定年延長をしてまで人手を確保しなければならない時代に、50代を腐らせてしまうのは、いかにも勿体ない。
これから定年延長がつづき、多くの企業で定年が70歳に届くのは時間の問題である。そうなれば50歳は上がりではなくなり、働き盛りの年代に移行する。転職市場での市場価値も上がっていくだろう。
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