2018/05/28
全国の大学の教員のうち約半数は非常勤で、常勤の専任教員も約4分の1が「特任」「特命」などの形で任期付き雇用となっていることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」で分かった。一般企業と同様、非正規や有期雇用が増えている形で、教育や研究の安定とともに、こうした教員の処遇が今後の課題となりそうだ。
調査は昨年、国公私立大751校を対象に実施した。この質問に回答した659校の教員をみると、本務者(専任教員)は16万9458人、兼務者(非常勤教員)は延べ16万9164人でほぼ同数。ただ、非常勤教員は複数の大学をかけ持ちしている例もあり、延べ人数となる。また、専任教員のうち、任期付きは4万4401人だった。任期なしの専任教員は12万5057人で、全体に占める割合は約36.9%だった。
(朝日新聞デジタル 5月20日)
大学教員でとくに過酷なのは非常勤講師である。都内の私立大学で英米文学を担当する非常勤講師は5つの私立大学をかけもち週に計11コマを担当。「講義数を詰め込んでも週12~14コマが限界」という。
11コマ担当して、年収は300万円台の後半にしかならないとか。「ある程度の余裕をもつために週8~9コマで済ませたいのですが、それでは生活ができません」(同講師)
専任講師の年収相場は600万円前後だから、非常勤講師との差は2倍と言われているが、もっと格差が開いているという。
非常勤講師は社会保険料と学会への出張経費が自己負担ですが、専任講師は出張経費を研究費で賄えますし、諸手当も支給されます。年間に5~6倍の差はあるでしょう」(同講師)。一般に学歴と収入は比例関係にあるが、大半が博士号を取得している大学教員は例外である。
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