2018/05/17
介護に携わる人材の不足が、2035年に15年の約20倍の79万人に達することが7日、分かった。高齢化の進展に加え、政府が目指す介護離職解消の過程でサービスの需要が急増するため。人材不足解消に向け、高齢者の社会参加を促して要介護とならないための予防や、介護分野に就労しやすい環境整備が急務となる。
経済産業省の試算によると、介護関連の従事者数は15年が183万人で人材不足は4万人だった。しかし、25年には供給が215万人で不足は43万人に拡大。さらに団塊世代が85歳を超える35年には供給が228万人で不足が79万人に膨らむとした。
要介護者をゼロにできれば、高齢者が教養娯楽費や外出のための交通費、被服費などにお金を使うため、15年の消費を最大1.7兆円喚起できたのも試算した。
経産省は要介護者とならないように予防するためには、民間企業が高齢者が参加したいと思うような娯楽サービスなどを創出することや、そうした場の情報提供を活発にすることが必要とみている。(SankeiBiz 5月8日)
介護人材確保難のニュースが頻発している。読売新聞は次のような記事を掲載した(5月3日付け)
「2020年度末までに自治体が進める介護施設の受け皿整備が約29万人分にとどまり、国が15年に見込んだ計画を9万人分下回る見通しであることが、読売新聞の調査でわかった。
調査は今年3月、市区町村の介護保険事業計画をまとめている47都道府県に実施。介護の受け皿が、20年度末にどの程度整う見込みなのかを尋ねた。
(中略)
調査では、政府見込みの75%しか整備できないことがわかった。内訳を見ると、特養は約11万3000人分で見込みの約81%、認知症グループホームは約4万4000人分で見込みの約73%だった」
介護人材不足に対する危機感が世間で共有されても、いまだに対応策は見当たらない。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。