政府は女性登用で一定の基準を満たした企業を認定する制度を創設する方針を固めた。認定された企業には、税制や地方自治体による助成事業で優遇する措置を検討する。来年の通常国会に新たな法案を提出し、2015年度からの実施をめざす。安倍政権は女性の活用を成長戦略の柱に据えており、認定制度をテコに女性が活躍できる環境を整えるよう企業に促す。
内閣府と厚生労働省を中心に近く法案作りに着手する。認定を受けた企業には専用マークを付与し、企業が広告や求人に活用して宣伝効果などを見込めるようにする。
認定基準は管理職や採用人数における女性の割合が業界平均を超えていたり、女性を含む社員の育成計画を定めていたりすることを想定。各府省庁が認定企業をどのように優遇するかを定めた指針もつくる。(日本経済新聞 6月30日)
女性は有能だから活用する。これが本来のあり方で、政府の方針に呼応して、いっせいに幹部に登用しはじめた昨今の動きには違和感を禁じえない。まして優遇措置によって女性活用を促すのは何ともさびしいが、こうもしなければ女性活用が進まないのが現状なのだ。
しかし優遇措置が普及すれば、形ばかりの幹部登用など歪んだ人事も横行するに違いない。優遇措置に不正利用は付きもので、巧妙な抜け道も考案されるだろうが、そうした企業はたちまちヤリ玉に挙げられ、採用活動にも支障をきたし、ただちに改善を迫られる。
この取り組みは紆余曲折を経ながらも、健全な女性登用に取り組む企業でなければ、意欲的な女性が集まらない――おのずと、そんな流れに向かっていくだろう。
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