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電通、月1回の平日休業 全社で6月から試験導入

電通は4月16日、毎月1回、平日に全社一斉の休業日を設ける「インプットホリデー」を6月から試験導入すると発表した。毎月第2週か第3週の水曜日もしくは金曜日を休みにする。コンディションの調整、自己啓発に打ち込むなど「よりよいアウトプットのために、自分をインプットする日にする」(同社)という。
社員が出社時、PC画面に表示される質問(1問)に直観的に答えると、その日のコンディションが客観的に分かるという「バイタリティノート」も、4月から一部で試験導入した。7月から全社導入する予定だ。
電通では、2015年に新入社員だった女性社員が過労で自殺した問題が起き、業務プロセスの改善などを講じた。同社によれば、17年の1人当たり総労働時間は2031時間(前年比135時間減)となるなど成果を挙げているが、「改革の加速と社員一人一人の成長を後押ししていくため、新たに施策を導入する」としている。(ITmedia NEWS 4月16日)

電通は「インプリットホリデー」の導入について「休むことが社員個人にとっても、その家族にとっても、顧客や当社にとってもプラスになる環境の醸成を目指します」と述べているが、「顧客」にとって「プラスになる環境」とはどんな環境なのか。

さらに「顧客」に言及するのなら、外注先への配慮はどうなっているのか。「仕事を振ってあげているのだから」という理由で環境整備の視野に入っていないのかどうか。
この類いの制度の趣旨は効果の範囲を社外まで広げないで、社内にとどめておいたほうがよいだろう。

電通は、この記事で紹介された2つの取り組みのほかに、「年間100時間以上の学びの機会」を提供する研修プログラムを今年10月から導入するという。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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