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ソニー大幅減益でも社長年収3.6億円

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ソニーが26日開示した有価証券報告書によると、2014年3月期の平井一夫社長の年収は3億5920万円相当だった。内訳は、基本報酬1億8400万円とストックオプション(自社株購入権)など1億7520万円相当。主力の電機部門の不振が続き、14年3月期は1283億円と大幅な連結純損失を計上しているだけに、株主から批判の声が出そうだ。
ソニーは「他のグローバル企業の報酬を勘案して(社外取締役を含む)報酬委員会で適切な価格として決定した」(広報・CSR部)と説明している。日本企業では、14年3月期に連結純利益が過去最高となったトヨタ自動車の豊田章男社長の基本報酬と賞与が計2億3000万円だったことが分かっている。
平井社長は、代表執行役として基本報酬を得ているが、現在1割削減中。ただ、基本報酬が米ドル建てのため、円安で前期より3100万円増えた。ストックオプションの収入は、権利行使時点の株価に左右されるため、確定した金額ではない。 (時事通信 6月26日)

ソニーの報酬委員会の社会感覚が鈍感なのか、委員会の提示を受け入れた平井氏に固辞できない事情があったのか。真相がどうであれ、希望退職などで社員とその家族を路頭に迷わせた企業の社長は、当分の間、無給でしのぐべきである。

これは、人としての道理だ。「他のグローバル企業を勘案して・・・」などの能書きはどうでもよい。他社との比較でなく、自社としてどう処するかという問題である。

もし社長が(自分にも生活がある)と無給では困るのなら辞任をして、どこかに就職して、サラリーマンとして碌を食めばよい。それなりの企業の社長経験者なら、中小・ベンチャー企業から引っ張りだこで、失業の辛苦にあえぐことはない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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