2018/04/10
60歳定年が日本企業の8割を占めるなか、給与水準を維持してシニアの士気を高める定年延長を選ぶ動きが広がってきた。日本経済新聞社が29日まとめた「社長100人アンケート」では2割の企業が定年を60歳から65歳に延長する意向を示した。導入済みを含めて、65歳定年が3社に1社に達する。ただ世代交代の停滞などを懸念する意見も多い。シニア活用と若手の育成を両立した人事戦略が一層求められる。
アンケートは国内主要企業の社長(会長などを含む)を対象に3カ月に1回実施。今回は2月28日~3月19日に実施、146社から回答を得た。
(中略)
回答企業の87.6%が再雇用(契約・嘱託・パートタイムなど)制度で対応している。回答企業の86.9%が60歳定年を採用し、65歳定年は11%、現在のシニア雇用について38.4%が拡充の意向を示した。
(日本経済新聞 3月30日)
希望者には70歳からの年金受給を開始する制度の施行に合わせて、定年が70歳に引き上げられる流れが加速するだろう。雇用延長措置も講じられ、要介護者が増えだす75歳までの雇用が標準になるのではないか。
すでに介護業界には80歳まで雇用する事業者もある。今年79歳になる知人の母親は訪問ヘルパーとして働いているが、利用者から指名される機会が多い。「利用者には80~90代が多いので、若いヘルパーよりも、うちのオフクロのほうが話しやすくていいらしい」(知人)という。
「社長100人アンケート」によると、シニア雇用延長のメリットは「シニアの経験やノウハウを活用」「技能の伝承・維持」「若手の指導・育成」。一方で、課題に「シニアの職務・ポスト不足」「シニアのモチベーション低下」「世代交代が停滞」「総人件費の増加」が挙げられた。
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