2018/03/07
――サイバーエージェントは創業当初から子会社を多く設立し、若手に経営を任せることも多いですね。
「かれこれ100近くの関連子会社をつくり、若手に経営を任せています。めぼしい人材はすぐトップに抜てきします。中には採用内定の段階で社長にした例もあります。こうして取り組んだ新事業の成功率は6割程度。社内ベンチャーでは高い確率だと思います」
「変化の速いネットビジネスでは経営モデルをああでもないこうでもないと考えているうちに陳腐化する。私自身が経営をやりながら覚えたから、若手にも『自分でなんとかしろ』と言って、私が手取り足取り面倒を見ません。若手はもがきながらビジネスをなんとか形にしていくのです」――管理職にはどういう人を選びますか。
「チームリーダーは、年次や実績よりも人格、人柄で選びます。器が大きく、人の力を引き出せる人物です。能力があっても下の人間をつぶしてしまう人を高く評価することはありません」
(NIKKEI STYLE 3月1日)
日本電産の会長兼社長の永守重信氏は、この2月15日に開いた記者会見で、吉本浩之副社長を次期社長に指名した理由について「経営力があるかどうかはダメな会社を再建させるとよくわかる」と述べたという(2月16日付、日本経済新聞)。吉本氏は子会社の再建実績が評価されたのである。
サイバーエージェントのようなベンチャー色が強い企業の場合、経営者人材の選抜や育成には、子会社の創業社長に就任させ、ゼロから経験させる方法がよい。上場企業の経営幹部は務まっても、ベンチャー企業経営者としてやってゆくには起業力に長けていなければならない。
親会社の支援を得ずに実績を出せるかどうかで、次期社長候補としての適性を判断できるし、トレーニングの機会にもなる。
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