2018/02/27
安倍晋三首相は16日の高齢社会対策会議でこう述べた。エイジレス社会は人を年齢で区別せずに意欲や能力に応じて生活し、負担もしてもらう社会を意味する。首相は昨秋の衆院選で少子化を「国難」と位置づけ、大綱も「これまでの我が国の社会モデルが今後もそのまま有効である保証はない」と危機を強調。「10年、20年先を見据えて持続可能な高齢社会を作っていくことが必要」と構造改革を進める決意を示した。
背景には急速に進む少子高齢化がある。1995年に約8700万人だった15~64歳の生産年齢人口は、2015年までの20年間で約1千万人も減った。一方で、65歳以上は約3500万人に倍増。この流れに歯止めはかかりそうにない。高齢者1人に対する15~64歳の「支え手」の人数は15年の2.3人から、65年に1.3人になる見込みだ。対応策を協議している自民党の「一億総活躍推進本部」の中心議員は、「このままでは社会そのものが持たないのは明白」と話す。
(朝日新聞デジタル 2月17日)
「サザエさん」に登場する磯野浪平は、1895年(明治28年)生まれの54歳という設定だという。浪平が54歳だった1949年、日本人の平均寿命は、男性56歳、女性59歳。現在なら70代後半にも見える浪平も、当時は年相応の風貌だった。
平均寿命が延び、人手不足に解消の目途が立たず、年金財政がひっ迫する時勢にあって、高齢者にも働いてもらわないと国がもたなくなったのだろうか。
たしかに働いている高齢者は、平日に図書館で新聞を読んでいる高齢者よりも若々しく見える。どちらが好ましいライフスタイルなのか。国策にかなうのは働きつづけることだが、しょせん本人の志向性の問題だ。無為な日々も本人の性に合っているのなら、行政と有識者が“あるべき高齢者像”を提言して、あれこれ注文をつけるのは不毛である。
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