2018/02/26
政府は16日午前、関係閣僚会議を開き、国家公務員の定年を現在の原則60歳から65歳に引き上げる方針を決めた。
人事院に、60歳以上の職員の給与水準などについて検討を要請し、回答を踏まえて制度の詳細や実施スケジュールを詰める。早ければ2019年の通常国会に国家公務員法など関連法改正案を提出し、21年度から段階的に実施する見通し。地方公務員の定年も65歳となる方向だ。
政府は昨年6月、定年の引き上げについて議論する関係各省の検討会を設置。16日の閣僚会議では、総人件費の増加を抑えるため、(1)60歳以上の給与水準を一定程度引き下げる(2)原則60歳以降は管理職から外す「役職定年制」を導入する―といった方向性も決めた。これを受け人事院は、60歳以上の給与の引き下げ幅や、役職定年制を適用する具体的な範囲などを検討する。
(時事通信 2月16日)
国家公務員の定年が65歳までに引き上げられるのなら、天下り人事も見直されるのだろうか。
天下りは中央省庁にとって最大の利権だから、手放すことは考えられない。一方で、省庁とのパイプ強化を意図して、あるいは「元〇〇省幹部」という肩書をお飾りに欲して、天下りを受け入れたがる民間企業も後を絶たない。
天下りを防ぐには当人が拒むことが一番の解決手段だが、公務員人生のゴールを塞がれてしまっては、働きつづけてきた意義も失いかねない。用意された人事に応じるのが普通だ。
ただ、公務員時代の肩書が立派でも、新天地で実力を発揮できるとは限らない。
「意欲的な人が多いのですが、不慣れな民間企業で意欲的に仕事をされると必ずミスをしてしまう。ミスをすれば経歴に傷がついて、後任の天下りを受け入れにくくなるので、なるべく仕事をしないようにしてもらっています」(保険会社人事部)
省庁に恩を売るのも、天下りの効用のようだ。
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