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トヨタ労組、春闘でボーナス6.6カ月分を要求へ

トヨタ自動車労働組合は25日、2018年春闘での一時金の要求を、組合員平均で年6.6カ月分とする執行部案を固めた。17年の要求と回答は年6.3カ月分で、それより0.3カ月分多い。18年3月期の業績見通しが2年ぶりの増収増益であることを踏まえた。
 
期間従業員の日給は150円の改善を求める。正社員のベースアップについては先に、17年要求と同じ月3千円を求める案を固めている。月給に換算すれば、要求は期間従業員も正社員も同じ水準となる。こうした要求は2月上旬に組織決定し、中旬に経営側に伝える。
 
トヨタの労使は、政府が賃上げを促す「官製春闘」とは一定の距離を置く。
 
連合はベアと定期昇給で合計4%ほどの賃上げをめざし、経団連は安倍政権に「3%以上の賃上げ」を求められている。
(朝日新聞デジタル 1月25日)

民間企業の給与格差はますます拡大していく。優良企業では労働力も確保しやすいから、労働力不足の悩みも少ないが、一方で深刻さを増していく課題がある。介護離職だ。要介護者が増える年齢は75歳だから、団塊世代がその年齢に向かう過程で、団塊ジュニア世代の介護離職が今以上に深刻な問題になるのではないか。

介護離職を防ぐポイントのひとつは介護人材の確保で、昨年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」で処遇改善措置が盛り込まれた。介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士に対して、月額平均8万円相当の処遇改善を行うという措置だ。

実施は2019年10月である。だが、勤続年数10年以上の介護福祉士は限られている。介護労働安全センターが実施した「平成26年度介護労働実態調査」によると、介護業界のサービス提供責任者6.5年、介護職員4.6年。しかも、月8万円が介護福祉士本人に支給されるのではなく、勤務先に支給される仕組みである。大盤振る舞いにも見えるが、どこまで実効性を発揮するかは不透明だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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