2018/01/26
人手が足りず、受注増に対応できない―。中小製造業の人手不足が深刻化している。“中途採用でさえ難しいのに新卒なんて”と諦めている企業も多い。そんな中、職種や学校を絞って企業説明会を開いたり、社長自ら学校を訪れたりして新卒を獲得している企業がある。特別枠を設け、幹部候補社員の獲得を目指す動きも出てきた。
(中略)
“特別”な採用に挑むのはファミリーイナダ(大阪市淀川区)。入社して3年で課長、5年で部長、10年で役員を目指す「特別コース」を16年に設けた。
部下10人を擁する20歳代の主任誕生がきっかけ。入社時から社長の下で営業、広告、製品企画、開発、生産管理など経営全般を学び、幹部を目指す。
初任給は一般枠20万2100円(大卒16年度実績)に対し、特別枠は選考時の査定によるが30万―40万円になる。現時点で応募はないが、「数に限らず、いい人に来てほしい」(山崎東奈総務人事課課長)と、継続する方針だ。
(ニュースイッチ 1月17日)
ファミリーイナダが設ける「特別コース」は省庁のキャリア採用に類似している。既存社員との軋轢も生じかねないが、中小企業が幹部候補になり得る人材を採用するには、このぐらい思い切った人事制度が必要なのだろう。
だが、記事によると「現時点で応募はない」という。山っ気のある学生が応募してきてもよさそうだが、あまりにも奇異に映ったのか、それとも、どこかでハシゴを外されるのではないかと警戒したのか。
特別コースを中途採用で打ち出せば、有能な人材を確保できるだろうが、学生にはハードルが高いのかもしれない。一方、起業家志向の学生にとってはビジネスのトレーニンになりそうな制度だが、10年で役員をめざすという目標がネックになる。
20代で起業しなければ出遅れてしまうからである。
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