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離職防げ 人材各社動く

人材サービス各社が従業員の離職を防止するサービスを相次いで拡充する。エン・ジャパンは転職者に転職先企業での活躍を支援するサービスの対象を拡大したほか、ツナグ・ソリューションズも離職の可能性が高い従業員をフォローする取り組みを充実させる。新卒や中途の採用が一段と難しくなる中、既存の人材を定着させて活用する人事施策の重要度が増している。
エン・ジャパンは新しい職場への定着支援サービスの対象を拡大し、同社の全ての転職関連サービスの利用者が使えるようにした。無料で研修プログラムを受講できるほか、転職者向けに職場で活躍するポイントなどを記したサポートメールを3年間定期配信する。
 同社の定着支援サービスの利用企業の1年以内の平均離職率は利用前に13.6%だったのが、利用後には5.3%まで提言しているという。
(日本経済新聞 1月11日)

転職の動機で多いのは人間関係の悩みだが、人間関係が良好でも次々に退職者が出る企業もある。大手流通企業に勤務する30代の社員によると「うちの会社は人間関係が温かくて、残業手当もきちんと支払われていますが、店長や副店長クラスが結構辞めていきます。だから、その下の年代がなかなか辞められないんですよね」。なぜ退職者がつづくのだろうか。

原因は長時間労働である。親族が亡くなれば就業規則では慶弔休暇を取得できるが、実態は両親や兄弟の死亡に限られ、祖父母の死亡時には、休暇を申請しないのが慣わしになっているのだという。
「もちろん申請すれば許可されるはずですが、申請しにくのです。だから、祖父母が亡くなった社員は、実家や病院に行ってお別れをして、すぐに仕事に戻っています。たとえ人間関係や給料に問題がなくても、こんな人生をつづけていいのだろうか?と疑問に思って辞めていくわけです」(同社員)

定着を支援するには、こうした実態にまで踏み込むことが必須である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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