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熟年力で生涯現役 定年見直し 企業の戦力に

定年を過ぎてからも元気に第一線で働くシニアが増えている。戦後すぐの日本人の平均寿命は50代だったのが最近は80代に延び、さらに「人生100年時代」が視野に入りつつある。高齢化が進む中、企業にとってシニアの活用が課題となっているだけでなく、個人にとっても生きがいを持ち続けながら豊かに暮らしていくにはどうすればいいのか手探りだ。お手本となりそうなシニアの働きぶりを追ってみた。
 
「あなたが勧めてくれるならと契約してくれた時はうれしくてたまらない」。日本生命保険東京支社の八王子中央営業部で働く安齋正枝さん(72)は勤続44年の今も人から感謝されることを励みに現役を続ける。

営業職員として28回連続で「グランプリ」を受賞した。
(日本経済新聞 1月6日)

2年前、定年退職した60歳以上の人材を派遣している高齢社(東京都千代田区)を取材した。当時、高齢社には750人が登録し、350人が派遣されている。

週3日程度働いて月8~10万円の収入を得るのが標準的なパターンだが、週5日働いて月15万円以上の収入を得る人材もいた。登録者の平均年齢は69.4歳で、最高齢は82歳。

登録人材は皆即戦力だが、高齢社は派遣前に研修を実施して、おもに心構えを諭している。

「たとえ上長がかつての部下でも『さん』付けで。現役時代の職位・資格は言わない」「過去の成功談(自慢話)は言わない。派遣先社員には教えていただくという姿勢で」。
 
あるべき人材像も定義して「言葉で人を導く人尊し 働く姿で人を導く人さらに尊し 後姿で人を導く人もっとも尊し」と現役世代の手本になることを求めている。
 
高齢社員が活躍できるかどうかは、協調性とコミュニケーション能力が鍵になるようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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