2018/01/10
就職活動での「売り手市場」が続く中、今春新規採用の北海道職員について大卒者の内定辞退率が6割を超えたことが分かった。高橋はるみ知事は28日の記者会見で「衝撃的だ。意志と能力に優れた人材を採る努力をしたい」と対策を急ぐ考えを示した。
道人事課によるづけつと、大卒者の内定辞退率はこれまで10~20%程度で推移してきた。ただ景気回復で民間企業が内定を多く出すうえ少子化も進み、公務員志望の学生についても人材獲得競争が激化してきた。
2013年度に19%だった辞退率は14年度37%、15年度59%と増加。16年度は170人の採用予定に対して内定は360人だったが、63%が辞退する結果となった。
辞退者の就職先は、国や大学法人40%弱▽札幌市30%弱▽それ以外の自治体30%弱▽民間企業4%--だった。道は幅広く人材を集めようと、2013年度から6月だった試験日を札幌市などと競合しないように1カ月前倒ししたが、併願受験者が増えて辞退率が高くなった側面もあるという。
(毎日新聞 11月29日)
民間企業の人材不足が慢性化し、リーマンショック級の経済危機が発生しない限り、人材不足はつづく。公務員が魅力の低い職業だとは思わないが、すでに雇用の安定は魅力ではなくなった。
すでに若年層は雇用の安定を求めていないが、メガバンクの人員削減計画が発表されたことで、若手の行員も何歳まで在籍できるかが不透明になった。新卒社員が最初の就職先をステップアップの場ととらえる傾向は、いっそう強くまっていくだろう。
新卒入社の25%が5年以内に退職する動向は、必ずしもミスマッチだけでなく、キャリアステップを意図した前向きな行動も現われでもあるという。その選択肢に公務員も組み込まれるように、中途採用を積極的に実施すればよいのだが、いまだに官尊民卑が残っているのだろうか。官から民への人材移動に比べて、民から官への人材移動は圧倒的に少ない。
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