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教員にタイムカード 長時間労働が深刻 熊本県教委が導入へ

熊本県教育委員会は6日、長時間労働が深刻な教員の「働き方改革」を進めるため、全県立学校で来年度中にタイムカードなどを活用した時間管理システムを導入する方針を明らかにした。県教委は「時間外勤務が月80時間を超える教員もいる。自己申告ではなく、客観的に勤務時間を把握して学校現場の意識改革を促したい」としている。
 
県教委による教員へのタイムカードなどの導入は九州で初めてという。年明けにも6校で実証を行い、効果を検証した上で全校に広げる。ほかに部活動などで忙しい教員の休みを確保するため、夏休みに数日間の学校閉庁日を全県立校で試行する。勤務時間外の保護者らへの対応状況も調べ、改善策を検討するなどとしている。
 
教員の働き方改革を議論する中教審の特別部会が8月、タイムカードなどの導入を求める緊急提言を発表。福岡県教委なども実施を検討している。市町村立の小中学校では、北九州市が2013年から全公立校で教員の出退勤時間を管理するICカードを導入。教員の在校時間の短縮に一定の効果があるという。
(西日本新聞 12月7日)

教員は医師と同様に聖職と扱われた時代もあった。労働基準法は適用されるが、勤務時間に制約を設けた労働者として見なしてよいのかどうか。

医師には医師法19条によって「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と応召義務が課せられている。大手民間病院の院長に長時間労働問題について取材したら、こんな見解を話してくれた。

「医師は上司の指示に従って働くのではなく、患者さんの病態に応じて働くため、病態が悪化すれば勤務時間が過ぎても帰宅できない。しかも誰もが患者さんを治すために働いていて、残業時間を気にして嫌々働いている医師はほとんどいない。私の若い時代のように、睡眠時間も取らないで働き続ける状況はいけないが、医師を労働者とみなして他の職業と同じように勤務時間を規制することは、国民にとってマイナスになる」。
 
この実態は教員にも当てはまるのはないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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