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賃上げ企業 最高の87%

厚生労働省は29日、2017年の賃金引き上げに関する実態調査の結果を発表した。定期昇給やベースアップ(ベア)などで賃上げをした企業の割合は前年より1.1ポイント増の87.8%。1人あたりの月額賃金の引き上げ額は451円増の5627円となり、いずれも比較可能な1999年以降で過去最高を更新した。

調査は今年8月、従業員数100人以上の企業を対象に実施した。1606社の内容を集計した。賃金を引き下げた企業は0.2%にとどまった。
(日本経済新聞 11月30日)

2018年度診療報酬改定の焦点は、医師の人件費などに充当される本体の改定率がどうなるか。財務省は本体のマイナス改定を、厚生労働省と日本医師会はプラス改定を主張し、12月20日前後には決着する見通しだ。

本体の改定率を決める参考材料のひとつが、産業界の賃金動向である。産業界の賃金が上昇をすれば本体改定率を引き上げる根拠となり、逆に産業界の賃金が低迷しているのに本体改定率を引き上げれば「公費で医師だけを潤わせるのか」という批判を招きかねない。

その意味で、調査主体が本体のプラス改定を望む厚労省であるとはいえ、調査対象の87%が賃上げしたという結果は、プラス改定主張には好材料だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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