2017/11/23
米大手資産運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは15日、議決権行使を通じて取締役に女性がいない企業に起用を促すための指針を、日本企業にも適用すると発表した。これまで米国、英国、オーストラリアの上場企業に同指針を適用していたが、このほど日本とカナダにも広げることを決めた。
同社では「取締役会ダイバーシティ指針」を設定し、上場企業の取締役に女性起用を促進するよう要請している。今年3月に、米・英・豪に本社がある約600社に書面を送り、取締役会に女性役員や女性役員候補がいない場合、株主総会で取締役の選任議案に反対を投じると表明した。その時点では日本企業は独立性の高い社外取締役の選任を増やすことが課題として、指針の対象から外していた。
今回、日本とカナダにもこの指針を適用し、2018年に両国の1200社以上に、女性取締役起用の指針を提示することを目指す。ステート・ストリートによると、日本では東証株価指数(TOPIX)500を構成する企業の55%、カナダ・トロント証券取引所に上場する企業700社の40%で女性取締役が一人もいないという。
(日本経済新聞 11月18日)
女性社長や女性役員という言葉がすでに時代遅れなのだが、あえて“女性”を付けざるをえないほど登用が不十分なのだろう。少なくとも日本では不十分である。
要職への女性登用に対しては、男性側から(逆差別ではないか)という悲憤慷慨も上がっているようだが、長年にわたって、実績が同等なら男性が優遇されつづけてきた。下駄を履かせてもらったのである。この歴史を修正するには、しばらくの間は、女性に下駄を履かせてもよいのではないか。男性は不平等による優遇に受けてきた歴史を振り返って、女性に負けないように奮闘すればよい。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの「取締役会ダイバーシティ指針」が浸透すれば、女性役員を対象に据えた人材スカウト、経営幹部養成セミナーなどが花盛りになるだろう。
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