2017/11/10
後継者不足から中小企業の廃業が進み、関西では2025年頃までの約10年間で約118万人の雇用と約4兆円の域内総生産(GRP)が失われるとの試算を、近畿経済産業局がまとめた。
後継ぎがいなくても対策を先送りする経営者が多いといい、「会社を第三者に売却するなど早めに事業承継の手を打つべきだ」としている。
近畿経産局は、中小企業庁の試算をもとに、近畿2府4県と福井県を関西として影響を調べた。14年度実績と比較すると、25年頃に関西のGRPの約5%、雇用の約15%が失われる計算で、経済成長の抑制要因となることが懸念される。
経営者の高齢化は中小企業では常態化する見通しだ。平均的な「引退年齢」の70歳を超える中小企業の経営者は、25年に約43万人と、全体の約6割を占めるようになる。その約半数が後継者が未定となる見通しで、多くの廃業が生じる恐れがあるという。
(読売新聞 11月4日)
後継者対策は50歳前後にはじめないと間に合わない。40代の経営者で後継者候補がいなければ、出口を検討することが現実的だ。出口とは株式上場か、売却か、廃業だが、株式上場を検討できるのは成長力にすぐれた企業に限られるので、まずは売却を考えたい。
買い手がつくのはどんな企業だろうか。中小企業のM&Aで豊富な実績をもつインテグループ社長の藤井一郎氏は著書『中小企業M&A34の真実』で、次の要件を挙げている。
①権限移譲が進んでいて、オーナー社長が抜けても業績に与える影響が限定的。
②社内にノウハウが蓄積されていて組織的に仕事をしている。
③決算数字が信頼でき、経営管理がしっかりしている。
④コンプライアンス上の問題がない。
⑤売り上げ・利益が成長または安定している。
⑥自己資本率が高く、借入金が少ない。
⑦企業規模は大きければ大きいほどよい。
要は、かりに息子がいれば、継ぎたくなるような会社である。
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