2017/10/30
三越伊勢丹ホールディングス(HD)が管理職の早期退職を促すための制度を見直し、対象年齢の拡大や退職金の増額などを検討していることが20日、分かった。ネット通販や専門店の台頭により、地方店を中心に厳しい状況が続いており、人件費削減で業績立て直しを図る。
関係者によると、部長級の早期退職の対象年齢を現在の50歳から48歳に引き下げ、48~50歳の退職金の加算額を最大で5千万円に増額する。40代後半から50代前半の課長級でも退職金の加算額を増やす。来年3月末の退職者が対象。募集人数は定めない。近く正式に決定する。
(共同通信 10月20日)
三越伊勢丹ホールディングスの早期退職対象年齢は50歳前後だが、この年齢は子供の教育費と住宅ローン返済が重複する時期でもある。中小企業の社員から見れば、雲の上の数字にしか映らない多額の退職金を手にしても、生活設計の不安は拭いきれないだろう。
三越伊勢丹がどこに向かうのかはともかく、これだけネット通販が流通市場を席巻し、一方でコンビニエンスストアが全国を隈なく網羅するなかで、おそらく百貨店は、東武池袋店にニトリが開店したように大型専門店の集客力を活用して、不動産業に転換していくのだろう。
百貨店の強みは立地である。多くの百貨店が駅前の好立地をどう活用するかに腐心しているのだろうが、人手は要らなくなるはずだ。
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