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パワハラ訴え3人退職 山形大リチウム電池研究拠点

国内最先端のリチウムイオン電池研究で知られる山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)で今年3~5月、少なくとも職員3人がセンター長の男性教授からパワーハラスメント(パワハラ)を受けたとして、退職していたことが4日、同大職員組合などへの取材で分かった。組合は5~7月、大学が実態を把握しているかどうかを問う質問書を小山清人学長宛てに2度提出したが、大学はパワハラの有無に関しても回答を拒んでいる。
 
退職していたのは、研究支援担当の男性職員2人と女性職員1人。男性職員の1人と女性職員は3月末付で、別の男性職員1人は5月末までに退職した。
 
職員組合によると、男性職員2人は口汚い言葉で一方的にののしられたり、机の上に侮辱的な書き置きを残されたりするパワハラがあったと訴えた。
 
このうち1人は昨年9月、学内のハラスメント防止規程で定められた相談窓口にパワハラ防止の対策を要望。その後、今年3月末での雇用打ち切り(雇い止め)を通告されたという。
 
組合関係者は「昨年4月に2018年3月まで継続雇用すると伝えられていたのに、唐突に雇い止めに遭った。センター長からの報復の疑いもある」と指摘している。

学長宛ての質問書で、組合は「センター長によるパワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」とした上で、「恐怖心から今も何も言えない状況に置かれている職員がいる可能性もある」と強調している。
(河北新報 10月5日)

この記事によると、河北新報社の取材に対して、大学は「個別のハラスメント案件と組合とのやりとりについて、大学として申し上げることはできない」(総務部長)と回答し、センター長は「取材に応じる立場ではない」とのメールを寄せたという。

ハラスメント問題を灰色決着に持ち込もうとすれば、加害側は追い詰められてしまうのだが、山形大学とセンター長はどんなシナリオを描いているのか。さすがに蓋を閉めて問題を封じ込めてしまおうという意図はないだろうが、すみやかに事実確認をして白黒をはっきりさせないと、黒のレッテルを貼られてしまうものだ。

ハラスメント問題に限らず、不祥事は伏せようとすればするほど、情報開示まで時間をかければかけるだけ事態は悪化する。いまや隠し事は必ず発覚する時代である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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