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ゴーン社長報酬が10億円超えの可能性

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日産自動車は3日開示した株主総会の招集通知で、平成26年3月期に取締役8人(社外取締役を除く)に支払った役員報酬の総額が16億5400万円に上ったことを明らかにした。単純平均で1人当たり前期比7%増の2億600万円。役員報酬が大幅に引き上げられたことで、25年3月期には国内の上場企業役員でトップの9億8800万円を受け取ったカルロス・ゴーン社長の報酬が10億円の大台を超えた可能性がある。
ゴーン氏個人の報酬額は24日の株主総会で明らかになる見通し。25年3月期は取締役9人の報酬総額17億4600万円の半分以上を1人で手にしていた。
26年3月期の報酬には、25年3月期の業績が反映される。この年、日産は米中市場の不振が響き、本業のもうけを示す連結営業利益が4%減と自動車大手7社では唯一減益だった。ただ、「売上高や最終利益では増収増益」(広報)だったことを踏まえ、報酬水準を引き上げた。
(中略)
日産は「グローバル企業の経営者の報酬を参考にしている」と世界的にみて特別高くはないと強調している。(産経新聞 6月4日)

10年ぐらい前に、東証一部上場の情報サービス企業社長が、大学生向けの講演会で「私は新入社員の7倍働いているので、7倍の給料をもらっています」と話した。かりに新入社員の年俸を350万円とすれば、その社長の年俸は2500万円程度だったのだろう。

社長の報酬額をめぐっては決まって、国際水準と比較して高いか低いかと議論されがちだが、国際水準とは欧米の一流企業の水準を指し、その水準が妥当なのかどうかは検証されない。検証を試みたところで、金銭文化の差異など定性的な要因から上手くいかないだろう。

産労総合研究所の「2013年 役員報酬の実態に関する調査」によると、上場企業1500社と未上場企業から任意に抽出した1000社の計2500社において、役員の年間報酬は、会長3019万円、社長3430万円、専務2214万円だった。

国際水準なるものと比較してどうかはともかく、金の亡者でない限り、これだけの報酬があれば十分ではないのか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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