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医薬卸大手スズケン、希望退職350人募集

医薬品卸大手のスズケンは28日、350人程度の希望退職者を募集すると発表した。国の医療費削減などの流れを受け、医薬品卸売事業の収益環境は将来、厳しさを増す見込み。物流事業などの成長分野に経営資源をさらに投入する。11月1~15日に募集する。
 
スズケン単体のほか、中国、四国、九州で医薬品卸売事業を手掛ける3つの子会社が対象。退職日は12月31日を予定している。所定の退職金に特別一時金を上乗せして支給するほか、希望者には再就職を支援する。
(日本経済新聞 8月29日)

2018年度予算編成の概算要求で、厚生労働省は過去最大の31兆4298億円を要求した。社会保障費は6300億円が自然増として計上されたが、経済財政諮問会議の方針で5000億円に圧縮される見通しである。
 
薬価が引き下げられれば、医薬品卸の収益力はいちだんと低下する。スズケンの希望退職募集は、たぶん18年度診療報酬改定がマイナス改定になることを見込んだ措置ではないのか。
 
希望退職を募集する場合、ほとんどの企業は再就職の支援を条件に示すが、何をもって支援なのか。多くは人材紹介会社につなぐ程度で、再就職先を直接紹介してくれるケースは稀である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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