2017/08/03
厚生労働省が28日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.51倍となり、4カ月連続で改善した。1974年2月以来、43年4カ月ぶりの高水準。正社員の求人倍率は0.02ポイント上昇の1.01倍で、集計を始めた2004年11月以降初めて1倍を超えた。緩やかな景気回復を背景にパートら非正規社員だけではなく、正社員の人手不足感も急速に強まっている。
総務省が28日発表した労働力調査によると、6月の完全失業率(同)は前月比0.3ポイント低下の2.8%だった。改善は4カ月ぶり。
求人倍率は、ハローワークに申し込んだ求職者1人当たりの求人数を示す。6月は全体の求人数が前月比1.5%増え、求職者数は横ばい。正社員の求人数は1.8%増え、求職者数は0.1%減った。
新規求人を業種別で見ると、自動車関連が好調な製造業のほか、人手不足が深刻な運輸・郵便業、建設業などで大きく伸びた。受理地別の求人倍率は、最高が福井の2.09倍、最低は北海道の1.08倍となった。
(時事通信 7月28日)
人手不足対策として各業界で外国人技能実習生の雇用が進むだろうが、外国人技能実習制度は、日本と相手国との経済格差を前提にした制度である。日本で技能を身につけ、本国に戻って経済発展に貢献してもらうのが趣旨だが、当人は、母国への貢献よりも日本への出稼ぎで家族を養うことを目的に来日するのである。
日本との経済格差が縮小すれば、来日する理由もなくなっていく。母国の雇用環境が格段に上向けば、母国で就労するのが自然である。アセアン各国の経済がどのぐらいのペースで発展するかで、技能実習生の来日人数も大きく左右されるだろう。
その意味で、外国人技能実習制度は急場しのぎの仕組みに過ぎず、持続的な効果は期待できない。それでも雇わざるをえないほどに人手不足が深刻なのである。
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