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<労働時間実態調査>時間減らしたくても仕事が終わらず

高所得の専門職を労働時間の規制や残業代支払いの対象から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が現実味を帯びてくる中、人材育成支援「リクルートマネジメントソリューションズ」(本社・東京)が、若手正社員を対象に労働時間の実態を調査した。高プロは「時間ではなく成果に応じて賃金が支払われる成果型労働制」をうたい、上手に活用すれば長時間労働の是正につながるとされている。だが、調査結果から働き方の自由度が高くても労働時間を短くできない実態が浮き彫りになった。
 
調査は今年3月、従業員300人以上の企業に週5日以上勤める20、30代の正社員の男女を対象にインターネット上で実施し、528人から有効回答を得た。
 
時間外労働を含めた1カ月当たりの平均労働時間が200時間を超えたのは女性の18・5%に対し男性では42・4%と、男性の長時間労働の常態化が目立った。
(毎日新聞 7月22日)

労働時間を短縮するには、仕事の段取りを改善したり、IT化を進めるだけでは限界がある。仕事の絶対量を削減しない限り、労働時間を抜本的に短縮できないが、そのためには仕入先と納品先の協力も不可欠だ。
 
仕入先、自社、納品先の各社が、それぞれ相手方の労働時間短縮に寄与できるように取り引きの仕組みを変革しないと、どこかにしわ寄せがいく。力関係の弱い側が長時間労働を強いられるのが通例である。

しかし、利益相反関係にある取引先同士が、労働時間短縮に向けて協働することは難儀だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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