2017/06/29
ヤマトホールディングスは6月21日、子会社のヤマト運輸で過去の未払い残業代が約230億円になる見通しと発表した。4月に190億円と公表したが、申告者と申告時間が増え、さらに40億円膨らむ。
ヤマト運輸はグループ社員約8万2000人を対象に社内調査を1月から実施。未払い残業代が確認されたのは4万7000人に上り、一時金190億円を2017年3月期決算に計上した。さらに調査を進めたところ、対象者が約1万2000人増えた上、申告済み社員の申告時間も増加したという。
ヤマトホールディングスは、「社員の労働時間に関する実態調査はこれをもって区切りがついたため、社員ごとの一時金の金額を最終確定させ、7月から順次支払う予定」としている。
18年3月期の連結業績予想への影響は改めて開示するという。
(ITmedia ビジネスオンライン 6月21日)
法令違反を犯して支払いを免れようとすれば、結果として高くつく。“会社の論理”で封印しようとしても、いまや時代が変わった。不正情報はどんどん流出され、会社側は是正を迫られる。
最初から法令を遵守していれば、これほどの大事にならずにすんだのだが、労務管理においては滅私奉公の文化が脈々と流れている。労使双方が滅私奉公を前提に関係を築いている。この関係を是正しないと人材の流出がつづくことに気づいた企業は、働き方改革などと喧伝されなくとも、労務管理の健全化に取り組んでいる。
だが、これだけ喧伝されても“業界の事情”とか“会社の事情”を理由に放置したままの企業では、社員の流出によってノウハウも流出してしまう。結局は、我が身に跳ね返ってくるのである。
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