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求人倍率バブル期超え 4月1・48倍 43年ぶりの水準

厚生労働省が30日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べて0.03ポイント上昇の1.48倍だった。上昇は2カ月連続。バブル期のピークだった1990年7月(1.46倍)を上回り、1974年2月(1.53倍)以来43年2カ月ぶりの高水準を記録した。QUICKがまとめた市場予想(1.46倍)を上回った。

企業の求人が増加する半面、求職者数が減少した。業種別では、運輸・郵便業や製造業、建設業で求人の増加が目立った。
 
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は2.13倍と前月と同水準だった。正社員の有効求人倍率は0.97倍と前月比0.03ポイント上昇し、2004年11月の調査開始以来で最高となった。
(日本経済新聞 5月30日)

この記事によると「4月の求人数が最も多い業種は医療・福祉業で、全体の約5分の1を占める」という。医療・福祉業という括りでは漠然としているが、おそらく介護業界の求人数が多いのだろう。
 
介護職の最大の供給源である福祉専門学校は、定員充足率が約60%に低下し、ITや会計など福祉分野以外のコースを併設して収益をカバーしている例もあるほどだ。福祉系大学の卒業生も、介護業界以外の業界に就職する傾向が高まっているという。
 
厚生労働省が設けた介護職員処遇改善加算も、離職防止には役立っても、新規採用にはさほど寄与しないだろう。外国人技能実習生の雇用でどこまでカバーできるかは未知数だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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