2017/06/02
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。
企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した。
かつて「会社人間」と言われた日本の会社員は勤務先への帰属意識を徐々に無くしてきた。それでも仕事への熱意がなぜここまで低下したのか。どうすれば改善するのか。来日したギャラップのジム・クリフトン会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。
――日本ではなぜこれほど「熱意あふれる社員」の割合が低いのですか。
「日本は1960~80年代に非常によい経営をしていた。コマンド&コントロール(指令と管理)という手法で他の国もこれを模倣していた。問題は(1980~2000年ごろに生まれた)ミレニアル世代が求めていることが全く違うことだ。ミレニアル世代は自分の成長に非常に重きを置いている」
(日本経済新聞 5月26日)
熱意の定義にもよるが、日本企業に「熱意ある社員」はこれほどに少ないのだろうか。時代を経るにつれて「企業の発展ために自分がある」から「自分の幸福追求の手段として企業がある」へと社員の意識は変化している。
新卒社員の4分の1が入社3年以内に辞めてしまうのも、自分にとってマイナスと判断するからで、もはや(石の上にも3年)という教えは通じなくなった。早く手応えが欲しいのだ。手応えをつかめそうになければ、熱意も湧いてこない。
昔は何かにつけて上司から「10年早い」という言葉が投げつかられたものだが、いまはほとんど聞かれない。10年後には時代が変わってしまい、上司も、10年後という視野など持ち合わせていないだろう。
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