2017/05/30
21~33歳の若手社員が会社を辞める直前、週平均で60時間以上働いていた人は23.8%に上ることが、労働政策研究・研修機構の調査で分かった。週60時間以上の労働は、厚生労働省が過労死の危険性が高まるとして注意を促している。人手不足などを背景に、若手社員が長時間労働により離職に追い込まれている実態が浮き彫りになった。
調査は昨年2~3月に実施。調査対象者を21~33歳の若手社員とした。男女の合計で5196人が回答、最初の勤務先を既に辞めていた離職者は2269人だった。このうち親が代理で答えた60人を除く2209人の1週間あたりの労働時間を分析した。(中略)
調査では、労働条件について入社前に聞いた話と入社後3カ月間の実態に食い違いがあったか質問した。「労働時間の長さ」は離職した男性の28・9%、女性は32・2%が異なっていたと答えた。
(日本経済新聞 5月22日)
若手社員の長時間労働の原因には(仕事の厳しさを身体で覚えさせる)という前時代的な教育もどきの目論見や、上司が退社するまで帰りにくいという“付き合い残業”もこびりついている。
働き方改革を意識する大手企業では改善が進んでいるが、取材で見聞する限り、どこ吹く風と受け流す企業もまだまだ多い。若手社員の離職がつづき、風評がたたって採用に響くという事態に至らないと、本気になって長時間労働の改善に向かわないのではないか。就労環境の健全度にも格差が広がっている。
売り手市場の定着と雇用の流動化で、若手社員には、滅私奉公を拒絶してホワイト企業を選択する流れが強まるだろう。
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