2017/05/18
厚生労働省は10日、労働基準関係法令に違反したとして最近半年間に書類送検し、社名を公表した全国334件の一覧表を初めて作成し、同省ホームページ(㏋)に掲載した。
昨年末に発表した「過労死等ゼロ」緊急対策の一環で、担当者は「一覧表にすることで社会に警鐘を鳴らす狙いがある」と説明する。従来は47都道府県にある労働局のHPに載せてきたが、報道発表で社名を明らかにしたのにHPでは伏せた事例もあったほか、掲載期間もまちまちで統一基準がなかった。同省は送検を公表した日から約1年間掲載し、毎月更新すると決めた。
10日に掲載されたのは昨年10月から今年3月までの計334件で、(1)企業・事業所名(2)所在地(3)公表日(4)違反した法律(5)事案概要などを県別に並べた。
内訳は、企業が安全対策を怠った労働安全衛生法違反209件▽賃金未払いなど最低賃金法違反62件▽違法な長時間労働をさせるなどした労働基準法違反60件▽労働者派遣法違反19件。労基法違反では、女性社員が過労自殺した広告最大手・電通の社名も掲載された。
(毎日新聞 5月10日)
厚生労働省が公表した334社の「事案概要」はもう少し詳細な記述にしないと違法の内容を理解しにくい。だが、若手サラリーマンやOLの間では、このリストが話題に上っているらしく、すでに露出効果は出ているようだ。
企業名が公表されるダメージは、まず採用に現われるだろう。人手不足の慢性化で、よほどの経済危機が起きない限り、売り手市場はつづく。有名企業や大企業を除けば、就労環境を改善しない企業は、労働市場で片隅に追いやられる。いくら求人広告に美辞麗句を並べ立てても、求職者から排除される。
未払い残業代の支払い、採用難……とかくルール違反は高くつく。
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