Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

今春の大卒就職率、3年連続上昇の94.4%

0523_1

今春卒業した大学生の就職率(4月1日現在)は前年同期比0・5ポイント増の94.4%だったことが16日、厚生労働省、文部科学省の調査で分かった。アベノミクスによる景況感の回復を受け3年連続の上昇となったが、平成20年のリーマン・ショック前の水準には届かなかった。なお約2万2千人が内定を得られていないと推計され、ハローワークなどを通じて既卒者の就職支援を続ける。
調査は全国の国公私立大62校、短大20校を抽出し、就職希望者に占める内定者の割合を調べた。その結果、大学生の就職率は男子93.8%(前年同期比0.6ポイント増)、女子95.2%(同0.5ポイント増)で、ともに改善。文系は94.0%、理系は96.4%だった。
(中略)
東日本大震災の復興需要や景気回復で求人が増える一方、リーマン・ショック前の就職率96.9%(20年3月卒)に届かなかった理由について、厚労省では「大企業を中心に厳選選考の傾向が強かったため」と分析している。(産経ニュース 5月16日)

大卒入社の約30%が入社3年以内に退職するという。人件費に余裕のできた企業には、3年後の歩留まりを計算して採用している例も少なくないはずだ。
以前なら、3年程度で振るいにかけて残れる社員数を想定したうえで、過剰な人数を採用する企業は「辞めさせる前提で採用するのはブラックである」と見なされた。しかし、入社3年以内に3割も辞めていくのだから、これはブラックとは異質の問題である。

もちろん、数年以内に辞めさせる前提で採用する不逞な例は後を絶たず、これはこれで由々しき問題だが、それ以前にバタバタと辞められてしまったら、純な採用担当者は拍子抜けするのはないか。
戦力化を期待しないで採用する担当者などいないだろうが、それでも(どこまでかんばってくれるのか)と半信半疑の心境にならざるをえまい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。