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違法残業の社名を一括公表 厚労省、今5月から

厚生労働省は5月から違法残業の疑いで書類送検した事案などを同省のホームページ(HP)で一括掲載する。違法残業などを防ぐため、一罰百戒の効果を期待する。労働基準法違反容疑で書類送検された電通を巡っては、滋賀県などが発注事業の競争入札への参加停止の措置を取っており、自治体への情報提供という狙いもある。

厚労省は27日、過労死や過労自殺の対策を話し合う有識者協議会で報告した。現在は、報道発表してもHPに掲載していない都道府県労働局がある。このため厚労省と労働局のHPに書類送検した事案などを公表日から約1年間掲載する。
(日本経済新聞 4月28日)

違法残業で書類送検された企業名が厚生労働省HPにアップされれば“ブラック企業認定”に等しい。取材もされ、社員からも改革の声が上がるだろう。

社名公表はイメージダウンに違いない。だが、当該企業がどこまで重視するかはさまざまではないのか。採用や取り引きに支障が発生すれば、速やかに改善に着手するだろうが、支障がなければ傍観しないとも限らない。

HPに掲載されるのは企業名、事業所名、所在地、法違反の内容である。このうち法違反の内容がどこまで具体的に記載されるかで、漠然とした記載では、当該企業はホッとしてしまい、改善の手を緩めかねない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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