2017/04/07
関西電力は30日、パートなどを含む全社員の約6割にあたる1万2900人について、残業など時間外労働の賃金の一部を支払っていなかったと発表した。2015~16年の2年間で、16億9900万円にのぼる。同日、大阪労働局天満労働基準監督署などに報告する。
関電は16年4月、高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長の手続きを担当していた社員が自殺し、その後労災と認定された。昨年12月には、本店(大阪市北区)の社員6人について勤務時間外の割増賃金の未払いを指摘され、支給するよう天満労基署から是正勧告を受けた。
勧告を受けて、関電は全社員の勤務時間を調査していた。関電は未払い分を追加で支払う方針。
(朝日新聞デジタル 3月30日)
残業代の未払いに限らず労務管理の不正は、社員から外部に漏れるものだ。社員が面従腹背し、泣き寝入りする時代は終わった。労働基準監督署から指導が入ると、通告者探しに暴走する会社も多かったが、そんな愚挙を犯して減給や左遷など人事上の不利益を与えれば、罪の上塗りになってしまう。
問題を社内で封印したつもりでも、トバッチリを受けた社員の周囲は成り行きを注視しつづけている。明日は我が身かもしれないと思って、会社から人心がどんどん離れてゆく。この状況を改善するには相当な労力とコストがともなうのだが、経営陣がどれだけ認識しているか。
企業法務に詳しい弁護士は「コンプライアンス違反は赤字をつくり出してしまう」と指摘していた。隠蔽工作はやがて発覚し、コストと信用失墜のダブルパンチを食らってしまう。正直な経営こそ、ローリスクで、しかもローコストである。
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