東レは7日、初めての社外取締役として一橋大学の伊藤邦雄教授(62)を起用する方針を固めた。6月の株主総会後に就任する。伊藤氏は会計学が専門だが、東レの人材育成機関で講師を長年務めるなど、同社の事業内容に精通している。企業統治にも詳しい伊藤氏の助言を受けることで経営体制の強化につなげる。(日本経済新聞 5月8日)
経営戦略合同事務所会長の天井次夫氏と同顧問の曽根宏道氏が、共同執筆で『CEO社長情報』というベンチャー企業経営者向け専門誌に、次のようなコラムを書いた。住生活グループ(現在のLIXILグループ)創業者の潮田健次郎氏についての考察だ。
<潮田はとにかく本を沢山読んだ。手強い理論書にも挑戦した。企業が大きくなるにつれ、実務家からよりもドラッカーをはじめとする学者たちからより多くを学んだという。
「経営は理論だ」
あるレベルを超えるにはアカデミズムの力が必要になってくるのである。>
表現は違うが、優れたケア水準と高収益で業績を伸ばしている介護グループは、エビデンスに基づいたケアを提供するという方針から、各施設に理学療法士と作業療法士を常駐させているが、このグループには代表者をはじめMBA取得者が5人いる。「経営にもエビデンスが必要だ」(代表)と考えているのだ。
経営学の知見を机上の空論と片付けてしまうのは、早計に過ぎる。アカデミズムのエビデンスを取り入れようとする経営には、本質を極めようとする深耕の力が働いている。真にブレないのだ。
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