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ニコン、希望退職に1143人が応募 国内社員の1割

ニコンは13日、本社とグループ会社が1千人程度を募集した希望退職に、1143人が応募したと発表した。国内の社員の約1割にあたり、3月30、31日付で退職する。退職金の加算などで2017年3月期に約167億円の特別損失の計上を見込む。赤字が続く半導体製造装置や、市場が縮むデジタルカメラなどの事業でリストラを進めている。
(朝日新聞デジタル 2月13日)

希望退職の募集人数を上回る応募者が集まる会社では、会社の先行きに見切りをつける社員が多かったというよりも、相当な肩叩きが行なわれる場合が多い。各事業部長には募集目標が与えられ、これが事実上のノルマとなって、辞めさせたい社員や辞めさせやすい社員を個別に呼び出して、辞表提出を迫るのだ。

辞表提出を拒まれたら、もはや居場所はないと追い討ちをかけ、それでも応じてこなければ、自宅から通勤不可能な人事異動をほのめかすなど、ひたすら追い詰める。その事業部長は削減ノルマを達成しないと、今度は自分が斬られる番だと不安心理にかられてしまうという。

なんとか削減ノルマを達成しても、怨嗟の対象になれば、因果応報の作用からか、その後はパッとしない日々を送ることも少なくないようだ。リストラを強いる経営幹部は、自分も辞める潔さをもてば恨まれずにすむだろうが、保身が優先するのが通例である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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