2017/02/07
コンビニエンスストア最大手、セブン-イレブンの東京都武蔵野市内の加盟店が、風邪で欠勤したアルバイトの女子高校生(16)から9350円の「罰金」を取っていたことが分かった。セブン-イレブン・ジャパンは「労働基準法違反に当たる」として、加盟店に返金を指導した。
親会社セブン&アイ・ホールディングスの広報センターなどによると、女子生徒は1月後半に風邪のため2日間(計10時間)欠勤した。26日にアルバイト代を受け取った際、給与明細には25時間分の2万3375円が記載されていたが、15時間分の現金しか入っていなかった。手書きで「ペナルティ」「9350円」と書かれた付箋が、明細に貼られていた。
店側は「休む代わりに働く人を探さなかったペナルティー」として、休んだ10時間分の9350円を差し引いたと保護者に説明したという。
広報センターの担当者は毎日新聞の取材に「加盟店の法令に対する認識不足で申し訳ない」と話した。「労働者に対して減給の制裁を定める場合、減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が賃金総額の10分の1を超えてはならない」と定めた労基法91条(制裁規定の制限)に違反すると判断したという。
厚生労働省労働基準局の担当者は「代わりの人間を見つけるのは加盟店オーナーの仕事」と話す。
(毎日新聞 1月31日)
フランチャイズ本部にとって加盟店の労務管理が新たな課題に浮上し、スーパーバイザーは労働基準法に熟知しなければならなくなった。これまでは加盟店の業績アップのサポートに専念していればよかったが、加盟店オーナーに労基法を遵守してもらわないと、チェーン全体のイメージダウンを引き起こしかねない。
セブン―イレブン加盟時のオープン前研修では労働基準法も教育されているはずだが、オーナーには労務管理は後回しという意識が拭いきれないのだろう。それにしても、16歳の女子高生に「休む代わりに働く人を探さなかったペナルティー」とは、法令遵守以前の問題だ。社会感覚のズレが引き起こした蛮行である。
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