2017/02/03
厚生労働省が27日発表した2016年10月末の外国人雇用状況によると、国内の外国人労働者数は前年同月末比19.4%増の108万3769人だった。ベトナムが5割増となるなどアジアが伸び、初めて100万人を突破した。雇用情勢が改善する中、技能実習生や留学生、専門的な知識・技術を持つ高度外国人材の受け入れが進んだ。
厚労省は毎年、10月末時点の外国人労働者数を発表しており、4年連続で過去最高を更新した。雇用する事業所数も過去最高で、13.5%増の17万2798カ所だった。建設業の伸びが目立つ。
国籍別に見ると、全体の3割を占める中国が6.9%増の34万4658人でトップ。2位は留学生と実習生が増えたベトナム(56.4%増の17万2018人)、3位はフィリピン(19.7%増の12万7518人)だった。
(時事通信 1月27日)
外国人労働者はどこまで増えつづけるのだろうか。それは日本との経済格差次第である。
人手不足の解消という日本側の事情だけで、思うように外国人労働者を確保できるわけではない。来日の動機は日本と相手国との経済格差であり、格差が縮小すれば来日動機は薄れてくるといってもよい。
昨年、労働力問題に詳しい首都大学東京の丹野清人教授にインタビューしたときに、丹野氏は次のように指摘した。
「中国との1人当たりGDP格差は20年前で70倍でしたが、今年は5倍強にまで縮まっています。ところが、日本の賃金水準は90年代からほとんど変わらず、横ばいが続いています。日本国内の賃金格差は、東京と沖縄を比較すると2倍の格差がありますが、2020年頃には中国の賃金水準が沖縄と同水準になる勢いです。その途端に来日数が減り始めるでしょう」。
外国人労働者問題は日本側の事情だけで議論されているが、相手国の事情や経済格差という角度からもアプローチしないと、ピントのズレた施策におちいりかねない。
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