2017/01/26
厚生労働省は17日、2016年4~9月に長時間労働が疑われる1万59事業所を立ち入り調査した結果、43.9%の4416カ所で労使協定を上回るなど違法な残業を確認したと発表した。従業員に労働時間を過少申告させるなど、1割超の事業所は労働時間の管理が不適切だった。
同省によると、4416カ所の事業所では労使協定の上限を超えた残業・休日出勤や、協定を結んでいない残業が確認され、是正勧告した。うち月80時間を超す残業があったのは3450カ所(34.3%)で、月100時間超も2419カ所(24.0%)に上った。過重労働がなくならない実態が改めて浮かんだ。
同省の労働基準監督署が立ち入り調査したのは、残業が月80時間超の従業員がいるとされた事業所。16年4月に重点監督対象を従来の月100時間超の残業から同80時間超に引き下げたため、対象事業所は前年同期(4861カ所)に比べ約2倍となった。
(日本経済新聞 1月18日)
ある不動産ベンチャーに勤務する30代の中堅社員は、個人客を担当しているため土日も客先に訪問して、ほとんど休めないという。この会社は残業手当も休日出勤手当もつかないが、この社員はブラック企業とは思っていない。
「ベンチャー企業に転職したのですから、土日出勤でも外手当が付かないことぐらい覚悟の上です。そのことへの疑問も不満もありません。他の社員からも聞いたことがありません」
経営者にとってはありがたい社員だ。しかし、やがて組織規模が拡大すれば、労務管理に野放図なままではすまなくなる。いまのうちに労務管理体制を整えておきたいが、何かしら問題が発生しないと関心が向きにくいのが労務管理である。
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