2017/01/17
緩やかな景気回復の下で、雇用者数が伸びている。2016年11月時点で5733万人となり、直近4年で250万人増えた。特に女性が目立ち、出産や子育てのためにいったん仕事を離れる「M字カーブ」は解消されつつある。男女ともに60代以上の労働参加率も高まった。人口は減り始めており、働く意欲のある女性や高齢者を支える環境整備が課題になる。
雇用者数は安倍政権が発足し、景気回復期にも入った12年12月以降、右肩上がりで伸びている。12年12月と16年11月を比べると、250万人増えた。内訳は男性が約80万人、女性が170万人で、女性の増加が大きな要因であることがわかる。
40~59歳の女性が4年間で約130万人増えており、全体をけん引した。
(日本経済新聞 1月8日)
外国人労働者に依存せざるをえないほど慢性化した人手不足で、続々と定年が延長され、遠からず70歳が標準になるだろう。この流れを後押しするのが、日本老年学会の提案である。同学会は、65歳~74歳を准高齢者、75歳~89歳=高齢者、90歳以上を超高齢者とすることを提案した。
この提案は社会保障制度の改正が目的ではなさそうだが、定年を75歳まで引き上げ、年金支給開始年齢もそれに準じた措置になる前兆ではないのか。そう勘ぐりたくなるのが普通だ。
定年が延長されるのはよい。健康寿命を引き伸ばし、医療費の抑制にもプラスになるだろう。しかし、年金支給開始も延長されるのは、60代の中頃になったら仕事のペースダウンを図りたいと願望する現役世代にとっては、約束を違えられたようで容認しがたい。まるで「死ぬまで働け」と迫られているかのようだ。
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