2017/01/16
政府は予防や回復に力を入れる優良な介護事業所に海外からの人材が集まりやすくする。介護保険を自立支援を重視した制度に転換する取り組みの一環で、官民でつくる新組織が日本の優良事業所をリストアップして各国に情報提供する。介護人材が不足するなか、重症化の防止に取り組む事業者を人材確保の面で有利にすることで、膨張する介護費の抑制にもつなげる。
安倍晋三首相は2016年11月の未来投資会議で、高齢者の身の回りの世話が中心の今の介護精度を、予防や自立支援を重視した仕組みに転換する方針を示した。今回の対策はその一環となる。関係省庁や社会福祉法人などの介護事業者、医療機器メーカーなどで官民でつくる新協議会が窓口を担い、海外への情報提供を本格化する。
(日本経済新聞 1月7日)
福祉系専門学校の生徒数に定員割れが発生して久しく、福祉系大学の卒業生も介護業界以外を就職先に選ぶようになった。介護人材を賄うには、もはや外国人に頼らざるをえない。
EPA(経済連携協定)や外国人技能実習制度を活用して、外国人人材を雇用する介護事業者はどんどん増えるだろうが、外国人人材の雇用はあくまで日本側の都合による取り組みである。EPAも技能実習制度も、制度の目的は、日本で技能を習得して母国に帰って医療介護の発展に貢献してもらうことだが、雇用側の動機は人手不足対策である。
このギャップに加えて、人材を送り出す国でも高齢化の進展で介護人材の需要増が発生し、一方で高齢化の進む韓国と日本が各国の人材を奪い合う。そんな構図も見え隠れしている。なんとも厄介な問題である。
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