2017/01/14
安倍晋三首相は5日、経団連など経済3団体が東京都内で開いた新年祝賀会で「今年は働き方改革の断行の年だ」とあいさつし、長時間労働の是正に向けた取り組みや正社員と非正社員の待遇差の改善に積極的に取り組む考えを示した。
安倍首相は「(企業トップが)先頭に立って働き方の根っこにある文化を変えていただきたい」と強調。時間外労働の上限を規制する労働基準法改正案を今月20日召集の通常国会で成立させることに意欲を見せた。
また2017年の春闘に関し「少なくとも昨年並みの水準の賃上げと、4年連続のベースアップ(ベア)をお願いしたい」と要請。「物価の上昇に後れを取らない賃上げこそ、デフレ脱却や持続的な経済成長の道に進むことができる」と出席者に呼び掛けた。
(iZa 1月5日)
働き方改革の断行は就労観の改革でもある。滅私奉公のもとに長時間過重労働の実践で出世競争を勝ち抜き、現在の地位を得た経済界の首脳たちが、真に就労観を改革できるかどうか。
政府が「働き方改革」というキーワードを掲げて、就労形態の改革作業に入った途端、各企業トップが雪崩を打ったように長時間労働の是正を口にしはじめた。政府が音頭を取らなければ、経済界はここまで長時間労働の是正に向おうとしなかっただろう。しかし、自主性に欠けるとはいえ、是正に向おうとしていることは望ましい。
長時間労働の是正で盲点になりがちなのは、仕入先との関わりである。短納期至上主義が是正されないと、仕入先は一向に長時間労働から解放されず、(長時間労働をしないと売り上げを確保できない)という通弊から脱却できない。
経済界の首脳たちには、この問題にも言及してほしいものだ。
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