2016/12/13
政府が働き方改革の一環で検討している残業時間の上限規制について、主要企業の47%が業務への支障を懸念する一方、支障がないと考える企業も45%と意見が拮抗(きっこう)していることが、読売新聞のアンケートでわかった。
調査は、政府が9月に働き方改革実現会議(議長・安倍首相)を設置したことを受け、10~11月に実施。180社のうち143社(79%)が回答した。
現行法では、労使協定を結べば事実上、無制限に残業ができるため、政府は上限を設けたい意向だ。上限規制で「業務に支障が出る可能性があるか」との問いに、「どちらかと言えばそう思う」が36%、「そう思う」が11%、「どちらかと言えばそう思わない」が28%、「そう思わない」が17%だった。
(読売新聞 12月6日)
残業規制の手段は、一般論としては業務の効率化だが、実際は業務量を削減しない限り残業時間は減らせない。だから読売新聞のアンケートに対して、47%が支障を懸念しているのだ。
残業を前提に業務を組み立ててきた“残業資本主義”と決別するには、残業を削減しながらも好業績を持続させている企業から学ぶことが現実的だ。経営コンサルタントを導入しても、幹部・中堅社員には、伝授されたノウハウに従う風を装いながら「そのやり方は、この業界に合わない」と拒絶する抵抗勢力が少なからず現われるのではないか。
しかし、実例を目の当たりにすれば、そうはいかない。残業削減は難しいという理由が消え去り、残業肯定派も転換を強いられる。しばらくは夕刻以降に間がもたなくて困惑するかもしれないが、それは健全化へのステップだ。
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