2016/12/12
電通は2日、長時間労働の解消に向けて、全社員の約1割にあたる650人規模を配置換えするとともに、中途採用枠を約60人に倍増すると発表した。忙しい職場に人員を増やし、労働時間の短縮と業務の平準化を目指す。
配置換えは来年1月をめどに実施。中途採用は今月下旬に募集を開始する。
社員のキャリア開発や健康維持などを支援する管理職約70人を各局に新たに配置。個々の社員にきめ細かく対応できる体制を整える。
電通は女性新入社員が過労で自殺した問題を受け、石井直社長をトップとする労働環境改革本部を設置。労働環境の改善に向けた取り組みを進めている。
(時事通信 12月2日)
12月8日付け日本経済新聞によると、日本経済新聞社が国内主要企業の社長を対象に実施したアンケート(回答146社)によると、8割弱が「是正に着手した」と回答した。
是正に向けた取り組みの上位7項目は、多い順に「管理者の意識改革」「ノー残業デーの設定」「フレックスタイム制度の導入・拡充」「ITを活用した業務効率化」「研修などによる従業員の意識改革」「サービス残業の撤廃」「残業の事前許可制の導入・徹底」。
管理職の意識改革は、管理職に昇進できた成功体験に修正を求めるのだから、そう簡単ではない。面従腹背に走ろうとする管理職も出るだろうが、部下の目はごまかせない。過剰な負荷を与えておいて、「残業を命じたことはない」という良い訳でしのぐ手も、これからは通用しないだろう。
結局は長時間労働を是正する仕組みをつくる以外にない。
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