2016/12/09
経営再建中のシャープの人材難が深刻化している。業績低迷で2012年と2015年に計6000人超の希望退職を実施したことに加え、不振を防げなかった旧経営陣が相次いで競合他社へ移るなど、流出が続いている。親会社となった台湾の鴻海精密工業との連携を深めるも、立て直しに向けた担い手の不足感があり、新たに技術者の採用を始めた。一方で鴻海は、スリム化のため国内外で更に大規模な人員削減の可能性も示唆しており、方向感が今ひとつ定まらない。再建が思惑通り進むか、不透明な情勢が続く。
(中略)
掲げる方針が信賞必罰だ。業績悪化を受けて実施していた一般社員の給与カットをやめ、冬のボーナスは結果を残した若手管理職を中心に「社長特別賞与」を上乗せして支給することにした。士気高揚を図る一方で、勤務状況や成果が芳しくなければ降格させる制度もマネージャー職に取り入れた。
(THE PAGE 11月30日)
社員の定着率の良い中小・ベンチャー企業の経営者には、人材を人財と表記することにこだわる人が少なくない。「社員は材料ではなく財産ですから、うちでは社員を人材でなく人財ととらえています」。そんな趣旨の発言をずいぶん聞いてきた。
記事で人材と書く場合には「人財」と書いてほしいと要請してきた経営者もいた。そのぐらい社員を大事にしているのだ。そうした会社では、社員の表情がはつらつとしていて、社内の空気も清々しい。
シャープの新社長に人財という概念はないだろう。社員は使い捨ての対象にすぎず、これからもリストラとは関係なく、社員がどんどん流出してゆくのではないか。そもそもリストラをチラつかせるような人物に、社員は心からついていかない。
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