2016/12/08
兵庫県の最低賃金以上の給料を社員に支払わなかったとして、淡路労働基準監督署は29日、最低賃金法違反容疑で運送業「淡路貨物自動車」(洲本市物部)と同社の男性社長(83)を神戸地検に書類送検した。同社では約10年前から給料の支払いが遅れることが続いており、男性社長は「努力したが未払い状態を解決できなかった」と容疑を認めているという。
書類送検容疑は、平成25年12月から27年10月の間で、社員10人に対し最低賃金である計約1970万円のうち約1680万円を所定期日までに支払わなかったとしている。
署によると、同社は昨年11月に事実上倒産したが、その時点で117人分の給料と72人の退職金が未払いの状態で、被害総額は計約2億8千万円となるという。
(産経新聞 11月30日)
約10年前から給与の遅配がつづいているという理由は、資金繰りの問題だけではあるまい。この社長には、まともに支払う意思がなく、そのうち雇用感覚が麻痺してしまったのではないか。
社員も倒産されては未払いのまま終わってしまうので、忍従を強いられたのだろうが、社長にとっては願ったり叶ったりだ。金銭のやりとりでは、ときとして債権者よりも債務者のほうが立場が強くなるが、この社長と社員の関係もそうだったのだろう。
本来、支払い能力がなければ、社員を雇用しなければよい。それでは会社が成り立たないのなら、清算すればよい。それだけのことである。
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