2016/11/21
食品スーパーが日本で働きながら技能を学ぶ外国人技能実習生の受け入れを本格化する。首都圏地盤のヤオコーは2018年度までに16年度比で約3倍の200人規模に増やす。北海道・東北に展開するアークスも現在の5倍となる100人規模とする。技能実習生の対象職種が広がったことが背景。人手不足が慢性化するなか、労働力として取り込む動きが広がる。
ヤオコーでは現在、ベトナム、スリランカ、中国の3カ国から技能実習生を受け入れており、16年度末時点で69人が就労する計画。17~18年度にかけて順次、増やし18年度末までに約200人にする。鮮魚売り場や焼きたてのパンを提供する「インストアベーカリー」といた店舗内だけでなく、総菜・生鮮品の加工センターへの配属を増やす。
(日本経済新聞 11月12日)
法務省によると、外国人技能実習生の人数は今年6月末時点で74職種・約21万人。右肩上がりに増えている。制度の趣旨は技能移転による国際貢献であり、決して人手不足対策ではないが、日本企業は、制度の趣旨を遵守する余裕などない。
現在の実習期間は3年だが、今国会で5年に延期する案が議論されている。成立すれば、企業にとって使い勝手のよう制度になる。さらに受け入れ数が増えるだろう。だが、この制度はワーカーの頭数を揃えるために活用されているにすぎず、急場凌ぎであることは否めない。
日本の若者の目に、技能実習生を大量に受け入れている会社はどう映るだろうか。たぶん「ワーカーの頭数を揃えて人員を賄っている程度の職場」とマイナス印象が色濃くなるだろうが、そんな体裁に構っていられないほど人手不足は深刻なのである。
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